親はいません。
兄弟は、お兄ちゃんとお姉ちゃん、弟と妹がいました。
今はいません。
寝床は、駐車場の中にあった、タイヤでした。
しかし、そこに住んでいるお母さんがとてもうるさい人で
私が住んでいることに気付くと、シャッターを閉めて、
タイヤを捨ててしまいました。 それからは、雨風をしのぐことが出来れば、
そこがわたしの寝床になりました。
お腹が空いた時は、近くのゴミ置き場で食べ物を探していました。
わたしの探し方が悪かったのでしょうか、
ゴミ置き場は、ゴミが散らばり、とても臭い匂いがしました。
でも、私のお腹はいっぱいになりました。
次の日も、お腹が空いたので、同じゴミ置き場へ出かけました。
しかし、ゴミは手が付けられないように、ネットでカバーされていました。
まったく誰がこんなひどい事をするんですかね?
またご飯のある場所を探すはめになりましたよ。
あっちの家、こっちの家、あそこの家、そこの家。
あっちのレストラン、こっちのレストラン。
なんでそんなに場所を変えるのかって?
そりゃあ、おわかりじゃありませんか。
寝床や前のゴミ置き場と一緒です。
誰かが私の邪魔をするからですよ。
散らかすのはもちろんのこと、ウンチやオシッコをそこいら中にするからだって?
まあ、私も生き物ですから、ウンチもオシッコもしましたよ。
でも、それってそんなに悪い事ですか?
私は何で、こんなに人間から嫌われるのですかね?
生きたいだけなのに。
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猫にしてみれば、きっとこんな言い分があるはずです。
では、このような不幸な猫が幸せであるために
私たちは、彼等に何をしてあげればよいのでしょうか?
前回は、主に「犬を守るための大切な事」に重点を置いてお話しをさせていただきました。
今回は、今一番重要な問題として取り上げられている「捨て猫」に関して
お話しをさせていただきたいと思います。
私たちが取材をしたある自治体の動物愛護センタ−では、捨て猫の殺処分をこれ以上増やさないために、
ボランティア団体や、地域の方々と協力したプランを立て、実行していると伺いました。
その内容は後編で詳しくご説明させていただきます。 「僕を助けて」で、すでにお話したことですが、動物愛護センターは昭和30年初頭まで多数発生した
狂犬病対策として、設立された施設です。
昭和25年に、犬には狂犬病予防法という法律ができ、
1.生後91日を過ぎた犬は自治体への登録
2.毎年1回、狂犬病予防注射の接種
が義務付けられました。登録と、毎年の狂犬病予防接種をすることによって、鑑札と注射済票が配付され、
それを犬に付帯することも義務付けられています。 付帯する事によって、たとえ飼い犬が迷子になったとしても、その「鑑札・注射済票」で
飼い主を探す事ができます。
以上のことから、地域によって数に差はありますが、現在の犬の殺処分数は、
目に見えて減少していることが分かります。
一方、猫の殺処分数は残念なことに減少している数は微々たる物です。
年間殺処分される動物の数は11,913頭。内訳は犬が773頭、猫が11,126頭、
うさぎ等のその他の小動物が14頭となります。(平成15年度調査)
殺処分される猫の実に9割が離乳前の子猫たちなのです。
これから、現在の猫を取り巻く背景と、ご自身の愛猫を守るために、またこれ以上不幸な猫を
生み出さないために、大切なことをお話しさせていただきたいと思います。
猫は何の罪に問われるのですか?
私たちが取材したセンターへは、猫に関する苦情や相談が年間約5千件寄せられています。
その内容は、ふん・尿・泣き声などの環境被害の苦情から、庭や近所に子猫が生まれて
困っているから処分してくれ、いたずらする猫を捕獲してくれ、など多岐に渡ったものです。
しかし、その多くは「無責任な飼い主」=人間が原因を作っているのです。 その人間が、猫の飼育方法を改善しない限り、苦情の数も、殺処分される猫の数も
減るわけがありません。 飼い主一人一人が、ふん・尿などの後始末の責任を持ち、猫が心身共に健康であるように心掛け、
適正に飼育しなければなりません。
さて、東京都内に生息している猫の数がどのくらいかおわかりですか? 平成10年度に、全国で初めて都内に生息している猫の数を推計した
(東京都における猫の飼育実体調査)結果によると、猫を飼育している世帯の
割合は約1割(13%)であり、約105万頭が飼育されている事が分かりました。
また、飼い主がいない猫の数は、約11万頭となります。
全体では、約116万頭となり、犬の飼育数をはるかに超えた数と推計されます。
ペットブーム=犬というイメージが強かったので、この数には驚きました。
この猫の生息数の調査と同時に、飼育方法も調査され、飼い猫の殆どが(45万頭)が
屋外で放し飼いにされていることが分かりました。
しかも、住所や連絡先が分かるような物を装着している猫は1割にも満たない数でした。 住所や連絡先が書かれているものを付帯させるのはもちろん必要ですが、屋内で飼育をすれば、
交通事故や感染症の危険から猫を守る事ができるのです。
避妊・去勢手術をしていれば、無意味に殺される子猫を減らす事ができるのです。 猫を飼うにあたって、犬のような法的な規制がないぶん、飼い主は猫を飼う事にもっと大きな
責任を感じる必要があるのです。 こういった心掛けをしなければ、生息している猫の数が多く、また避妊・去勢をしていなければ、
生まれてくる子猫の数も多くなるのは当然のことであって、殺処分される猫の数も減る事はないのです。
動物愛護センターは猫の飼育実態などから原則として、「飼い主の不明な猫の引き取り」は
行っておりません。飼い主からセンターに引き取り依頼があった時のみです。
もちろん、センターは簡単に引き取る事はありません。厳しい条件がついています。
ただし捨てられた「離乳前の子猫」は放置しておけば死んでしまうため、センターが引き取っています。
それは生かされるための引き取りではなく、「殺処分されるための」引き取りになってしまいます。
年間、センターに引き取られる猫は1万3000頭。この猫達の9割、
約1万頭が生後数日の子猫達です。
また、忘れてはいけないのが、交通事故死による死亡数なのです。
その数、年間2万4000頭(1日当たり65頭)の猫が飼い主も分からないまま、
交通事故で亡くなっているのです。
このような悲惨な状況を少しでも改善できるように、平成11年3月に、東京都動物保護管理審議会
によって「都市での望ましい猫飼育の在り方」が示されました。
1.屋内飼育
2.身元の表示
3.不妊・去勢手術
の「猫の飼い方3原則」です。 猫と人とが安全で快適な生活を送ることができる地域社会を作るために、都市における猫の
飼育方法が考案されたのです。 それが、上記の「3原則」を基に、文章の始めにご紹介した捨て猫の殺処分をこれ以上
増やさないために、ボランティア団体や、地域の方々と協力したプラン
『飼い主のいない猫とのモデルプラン』が「捨て猫」対策のために実行されているのです。
その内容としては、
1.ウンチパトロール
2.不妊・去勢手術を行い行政が支援をしていく
といった内容です。他にも活動内容はありますが、活動の主たる考え方として、
「地域が猫を管理できれば、子猫が多く産まれることはない、
不幸な猫を生む事はない」ということです。
こういった活動を行っている地域は、行政からモデル地域と位置付けられ、
サポートを受けている所もあります。 猫に対して、このような対策を行っているのは、地域によって異なりますが、
年に1回全国の愛護センターが会議を行い、各地域が行っている先進的な事業を全国に
広めるべく発表をしていると伺いました。もちろん、上記で説明している
『飼い主のいない猫とのモデルプラン』もしかりです。
50年前、狂犬病対策のために実施された狂犬病予防法が、時代と共に役割を変化させ、
今では『犬の身元を証明する役割』を担い、飼い主不明のまま命を落とす数を減少させています。
では、猫の状況を良くするために、今から50年必要なのでしょうか?
その必要はないと思います。
情報の発信源が多岐に渡っている現在なら、どんな状況で、何が必要なのかが、
個人個人で把握する事ができると思います。
一人一人の意識の改善を図れば、50年間、無意味に猫を殺すことはないのです。
★屋内飼育で飼育しましょう
★身元がわかるような物を付帯させましょう
★不妊・去勢手術を行いましょう
たった3つを実行するだけです。
これが本当に大切な事だと認識していただきたいと思います。
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